シネマ歌舞伎「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ 前編」

シネマ歌舞伎「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ 前編」鑑賞。七月に歌舞伎座で観た「風の谷のナウシカ 上の巻―白き魔女の戦記―」とだいぶ違った。

やっぱり菊之助さんのナウシカだと様式的な女方らしいというか、女方として成熟した感じ・重みがあるというか、発声も歌舞伎の女方らしさがある。対して米吉さんは世代も若いし、それゆえ顔も現代風なのでアニメの世界からそのまま抜け出たような感じになる。菊之助さんの成熟した女方の感じに対して清純、爽やかという感じ。観客の多くはこれに胸打たれたのだろう。

七之助クシャナは、七之助が美形なので申し分なくかっこいい。金髪と紫のマント、という現実離れした格好がすごく似合っている。声も役柄のため女性の声だけど低め(歌舞伎で年増を演じる時の声?)にしているというか、時蔵さんみたいな声にしてる。時蔵さんの声私は好き。

歌舞伎座で観たものよりも衣装、台詞ともに歌舞伎の様式に沿っている。幼き王蟲と心を通わせるシーンで義太夫の語りが使われたり。ナウシカの髪型も、米吉さんverはボブカットで原作に忠実になっていたけど、菊之助さんverは安土桃山時代に登場した根結いの垂髪?を思わせるポニーテールで、ここにも時代物らしさがうかがえる。