八月納涼歌舞伎第三部「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚」

8月14日、八月納涼歌舞伎第三部『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』鑑賞。コメディ。

歌舞伎で本水を使った舞台は初めて観た。中央部分の人々が配られたのであろうビニールをがさごそ用意し始めてもしかして?と思った。唐組の芝居をちょっと思い出した。

踊り競べの場面で、『道明寺』や澤瀉屋の家の芸「猿翁十種」の一つ『小鍛冶』などから要素を取り入れてるのに感心した。

幽霊に化けた喜多八(猿之助)が仏壇から顔を出したり欄干から出てきたりして次右衛門を散々に脅かし、宙吊りになり連理引きで次右衛門を引き戻す場面は、同じく猿之助さんが演じた『天竺徳兵衛新噺 小平次外伝』の小平次や『色彩間苅豆』の累を思い出した。猿之助さんってほんとにこういう離れ業得意なんだろうな、演じてる時楽しそうだもん。

緑婆奈々夫人役の笑三郎さんが美しかったし、天照大神役の笑也さんはもっと美しかった。この二人はこういうゴージャスな役が似合うのかも。

弥次喜多の一行が疫病による不景気のために閉館の危機に陥っている歌舞伎座を救うために歌舞伎座に向かい、歌舞伎座を復活させるという面白おかしい筋なのだが、二年前、歌舞伎座が公演中止になったりこれから上演どうなっちゃうの?って不安になった時のことを思い出してちょっと泣いちゃった🥹