2022年11月 宮坂

日本料理の「宮坂」に夕食で訪問した。六本木ヒルズの「茶寮 宮坂」に2回行ったことがあり、「御料理 宮坂」の方にも行きたいとずっと思っていたのだが、「御料理 宮坂」から「宮坂」に屋号を変えてリニューアルオープンしていたとは知らなかった。

お酒はグラスシャンパンをいただいた後日本酒に移り山田錦を使用した京都の「日日」、黒龍大吟醸「龍」、十四代などをいただいた。

日本酒のグラスを選ばせてもらえるのだが、オールドバカラが揃えてある。日本酒のデキャンタもオールドバカラで、ガラスに色付きの愛らしい花の模様が散らされたものや、緑のガラスに金の縁、金で日本風の草花の模様が描かれ、取手部分がねじったガラスになっているものなど、美術館で展示されているのを見るレベルの品物が出てきて「え、ほんとにこれ使わせてもらっていいの…?」と緊張した。

お料理は覚えてる範囲で。今回のメインは松葉蟹とのこと。

・汲み出し
白湯に塩とあられ。胃が落ち着く感じ。

・先付
雲子(真鱈の白子。その形から雲子ともいうらしい)が入っていた。どこかで松茸も入っていたが、この先付だったかしら?

・お造り
鯛とマグロ(中トロ)。鯛は柑橘塩(スダチの果汁に塩を一振りしたもの)でいただく。マグロはサシが綺麗に入っていて脂が乗ってて上質な牛肉を食べている感じで私の好み。昆布醤油を付けていただく。

・お椀
松葉蟹を使った真丈。『陰翳礼讃』でも言っていると思うが、日本料理の「椀物」って美学だなあと思う。黒い塗りのお椀の暗い中に、液体が満たされていて、その中に何かあるという。これが白い陶磁器じゃだめで、黒いお椀だからこそいいのだ。

・焼物
鰆。外側が香ばしく焼け、中が半生という私の好きな具合になっている。鰆をこんな食べ方するのは初めてだった。

・八寸
揚げ栗、銀杏、バイ貝の旨煮、もずく酢、あん肝、柑橘類の皮の中に鯛の手毬寿司。揚げ栗は皮を手で剥いて食べる。栗、芋、かぼちゃなどの味覚があまり好きではない私だが、この揚げ栗は美味しく食べられた。あん肝はねっとり甘く、やはり缶詰のものとは違う。(当然)

・炊き合わせ

・強肴

・ご飯と香の物
まず土鍋で炊き上がった直後のまだ硬い芯のある「煮えばな」を味わい、次に蒸らした白米をまぐろの漬け、ちりめんじゃこ、香の物と一緒に味わって煮えばなからの変化を楽しみ、最後に松葉蟹のほぐし身を入れてしばらく蒸して蟹ご飯にしてもらう。普段白米をちゃんと食べることってないから、ありがたかった。シンプルで美味しくて、余った分をおにぎりにしてお土産にしてもらったのだがすぐ食べてしまった。

・甘味
蕎麦焼き。蕎麦粉の生地の中にこし餡の入ったお菓子

・水菓子
洋梨と白ワインのアイス、ピオニー、シャインマスカット、柿

・薄茶

京懐石ということで、どれも薄くて優しい味でよかった!